神憑りの手で書かれた御穂神社の額
どんな伝承か
静岡市三保の御穂神社には、眷属八千彦命が社掌の息子に神憑りして書いたと伝わる神額「御穂神社」の文字が残る。明治二十六年六月、当時の宮司で霊学者の長沢雄楯が社務所で帰神法の指導をしていた際、修行者の一人であった十五歳の宮城島金作に佐田彦命と名乗る神霊が憑り、『当所は千年余り不浄を重ね居れば本日午後八時を以って修祓すべし』と告げたという。著者は昭和四十三年十一月、南山大学の一行と共にこの神社を参拝し神額を実見した。
原典より
なお、額の左脇に一段と小さい文字で「御穂神社眷属八千彦命神主にかかりて書す」の一句が、同じ手跡で書き添えられているのが私の注意を惹いた。—— 日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年))
『日本神異見聞伝』は、笠井鎮夫が昭和四十九年に著した霊異の見聞記である。第一篇では、大正期に大本で鎮魂帰神を受けた著者が、霊媒による死者の招霊や狐霊・竜神の託宣、霊石の発掘などを研究会での語りの口調で伝える。第二篇では、慶応三年のええじゃないかのころ尾張・遠江・駿河・美濃・丹後などで起きたお札降りを、旧家の古文書や郷土史家の便り、著者の現地調査から記録している。