西国分の熊野神社から上がった人魂
どんな伝承か
住谷修が、村でチフス騒ぎのあった昭和三、四年ごろから間もないころに体験した話。田仕事の帰り道、西国分の熊野神社のそばから人魂が立ちのぼり、薬師堂の上まで飛んできて、住谷の頭上を東の方へ飛び去っていった。誰かが亡くなったのだろうと思った住谷が、翌日西国分の人に確かめると、はたして死んだ人があり、その時刻も場所も自分が見たとおりだったという。
原典より
中学校を卒業して昭和三、四年頃だったか、村で幾人かチブス患者が出て隔離病舎に収容されたことがあった。—— 日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))
『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。