人魂が落ちた跡に残る泡
どんな伝承か
三河の横山あたりでは、人魂は人が死ぬ前後の三日のうちに、その家の棟から抜け出るといわれた。火の玉のような激しさはなく、青い火がゆらゆらと燃えながら宙を進む。ある男の前には、どこからともなく青い火の塊が飛んで来て、頭の上を三度ばかり旋回したという。また鳳来寺村の字椎平では、ある男が夜、人魂とおぼしい青い火の落ちた地点を目に焼きつけておき、翌朝早くその場所へ行ってみた。すると地面に、一握りほどの泡のようなものが残っていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))
『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。