全生病院の道に立つ浴衣の女
どんな伝承か
ハンセン氏病の研究に打ち込んでいたある人物は、実験用の種をもらうため、東村山の全生病院によく通っていた。駅から遠く曲がりくねった昼でも寂しい道のりを、ある雨模様の晩、仕事で遅くなり歩いて帰っていると、駅へ通じる道の曲がり角に、髪を振り乱した浴衣姿の女が立っているのに出会い、驚いて逃げ出した。療養所を一周してもとの場所に戻ると女の姿は消えていたが、今度は駅への道が分からなくなり迷ううち、通りかかったトラックに拾われて助かった。研究所に戻ってからも人の気配を感じ、様子を見に行くと女子工員が服毒自殺を図っているところに行き合わせたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。