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千町ヶ原の沼で水を飲む亡者たち

所在地岐阜県高山市朝日町(千町ヶ原)
年代昭和二四年
登場上牧太郎、体験者・山案内人
出典日本怪談集 幽霊篇

どんな伝承か

山案内人の上牧太郎は、麓の岐阜県大野郡朝日村から乗鞍登山の青屋口を独力で開いてきた老人で、その夜も一人で千町ヶ原の山小屋に横になっていた。人声に目を覚まして小屋を出ると、立ちこめていた霧が掃いたように消え、千町ヶ原の沼が上弦の月に青白く光り、数十人の白かたびら姿の男女が争って沼の水を飲んでいた。声をかけると一人が振り返り、伸び放題の髪の間から両眼が真赤に燃え、額には白い三角の頭巾を締めていた。念仏を唱えて我に返ると姿は消え、霧が戻っていたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))

『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。

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