屋根職人の首から出た青い火の玉
どんな伝承か
今は亡き母の話に、古巻村半田の母の実家へトントン葺きの屋根職人が来ていたことがあった。ある夕刻、近所の人が見ていると、その職人の首の後ろからボッと青い火の玉が出て宙に浮かび、飛び去って行った。あまり気味が悪いので、その人は職人には少しも話さず、近所の人にだけ話した。それがたちまち評判になっているうちに、五、六日の後にその職人は死んだという。人魂は死後だけでなく、死ぬ五、六日前や二、三日前に出る人もあるようだと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))
『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。