頭痛を箕であおいで払うオサキ除け
どんな伝承か
群馬県多野郡の村々では、オサキに憑かれて頭が痛むときは、箕で頭をあおぐと治るといわれた。七十七歳のI氏は、幼いころ頭痛を訴えると、親からオサキのしわざかもしれないと言われ、たびたび箕であおがれたという。また、胴乱につけたオオカミの歯の根付を、憑かれた人の敷き布団の下に入れておくのもよいとされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの(吉田禎吾・民俗・憑きもの研究・1972年(昭和47年))
『日本の憑きもの』は、吉田禎吾が一九七二年に著した人類学の研究書である。キツネ・イヌガミ・オサキなどの憑きもの信仰と、それを家筋で伝える憑きもの筋を、島根・高知・大分などの村での調査事例と古記録をもとに取り上げ、アフリカやヨーロッパの邪術・妖術と比べて論じる。三章立てで、憑きものの正体と特色、憑きもの筋の形成と伝播、憑きものが村落社会で果たす働きを順に述べ、注とあとがきを付ける。