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柿岡の盆地を通り過ぎる地鳴り

所在地茨城県石岡市柿岡
年代伝承(口承)
登場寺田寅彦、柿岡の盆地で地鳴りを体験した物理学者(著者)
出典怪異考 - 化物の進化

どんな伝承か

筑波山の北に開けた柿岡の盆地では、地鳴りはさして珍しいものではなかった。寺田寅彦はこの地を訪ねた折、何度もそれに行き合っている。音は空からとも地の底からともつかず、片側から向こう側へと通り抜けていき、ほかに比べようのない異様な感じを残した。観測の部屋に居合わせたときには、磁力計の頭に付いた管が共鳴して、その先が数ミリほど震えるのがはっきり見て取れた。山の中で聞いたときには、立っている靴の底にごく細かな揺れが伝わってきた。その最中に寺田は、郷里の高知で語られてきた『孕のジャン』の正体はこれに違いないと、ひらめくように感じたという。

原典より

ところが先年筑波山の北側の柿岡の盆地へ行った時にかの地には珍しくない「地鳴り」の現象を数回体験した。—— 怪異考 - 化物の進化(寺田寅彦) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

怪異考 - 化物の進化(寺田寅彦)

『怪異考 - 化物の進化』は、物理学者寺田寅彦が大正九年から昭和十二年にかけて雑誌・新聞に書いた随筆と談話を集めた本である。土佐の「孕のジャン」や濃尾のギバを地鳴りや空中放電で説く「怪異考」、昔の人が化物を自然現象の説明に用いたことを論じる「化物の進化」のほか、人魂、狸の腹鼓、厄年、夢判断などを科学者の目で語る。各篇の末尾に初出の年月と掲載誌名を記すが、「狸の腹鼓」だけは「単行本未収録」とのみ記す。

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