トップ > 徳島県の伝承 > 徳島市

一踊りと引き換えの隣の妻の口づけ

所在地徳島県徳島市
年代幕末
登場幸さん、民衆、記録者、隣の妻に口づけを頼んだ独り者の若衆
出典阿波えゝぢやないか

どんな伝承か

幸さんは一人者で、踊って疲れると眠ったが、根が小心な若衆だけに家をあけるようなことはしなかった。その日も昼近くに目覚め、煙草の煙を眺めながらどちらへ踊って行こうかと考えていると、隣の上さんが風呂を知らせに来た。丸髷の美しい上さんは挨拶代わりにちょっと踊ってから風呂を勧めたが、幸さんは上さんの唇の赤いのをじっと見つめ、少しでよいから接吻をしてくれと言った。上さんは赤くなって「ええ、踊つたら」と小声で答えたので、幸さんは一踊り踊り、それから上さんの唇を吸ったという。

原典より

踊つて疲れると眠つた、といつても、根が小心な若衆だけに、家をあけるやうなことはしなかつた。—— 阿波えゝぢやないか(山口吉一・民俗・幕末世相史・1931年(昭和6年)) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

阿波えゝぢやないか(山口吉一・民俗・幕末世相史・1931年(昭和6年))

『阿波えゝぢやないか』は、山口吉一が一九三一年に著した、幕末の「ええぢゃないか」騒動の記録である。慶応三年の暮れに阿波で起きたお札降りと踊りの騒ぎを、県内の古老五十余人からの聞き書きと郡村史誌などの記録によって、起因・神異・服装・歌謡・禁忌などの面からたどる。徳島日々新報への連載をまとめたもので、概観篇・詳述篇・挿話篇・補遺篇から成り、鳥居龍蔵の序、話者の古老の一覧、太田明の「御下り踊私考」を付す。

種別から探す

民俗・ええじゃないか

徳島市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『阿波えゝぢやないか』の伝承