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空から降る札と銀の酒代

所在地徳島県阿南市新野町
年代幕末
登場民衆、記録者
出典阿波えゝぢやないか

どんな伝承か

乱舞に夜が明け狂躁に日が暮れる日々の最中、一人が虚空を眺めて訝しげな顔をした。ひらひらと降ってきたものを手に受けると、まがうかたなき一匁の札であった。皆が側へ詰めかけて見ていると、五分、三分、二分などが牡丹雪のように降ってくる。神さんが酒手をくださるのだ、拾え拾えと騒ぎ、人々が下を向いて拾い始めた頭上から、なおも札や太政官札がひらひらと降り、一分銀や二分金がこつりこつりと音を立てて落ちてきたという。

原典より

乱舞に夜が明け狂躁に日を暮すことが、人々には一日の業になつてゐた。—— 阿波えゝぢやないか(山口吉一・民俗・幕末世相史・1931年(昭和6年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

阿波えゝぢやないか(山口吉一・民俗・幕末世相史・1931年(昭和6年))

『阿波えゝぢやないか』は、山口吉一が一九三一年に著した、幕末の「ええぢゃないか」騒動の記録である。慶応三年の暮れに阿波で起きたお札降りと踊りの騒ぎを、県内の古老五十余人からの聞き書きと郡村史誌などの記録によって、起因・神異・服装・歌謡・禁忌などの面からたどる。徳島日々新報への連載をまとめたもので、概観篇・詳述篇・挿話篇・補遺篇から成り、鳥居龍蔵の序、話者の古老の一覧、太田明の「御下り踊私考」を付す。

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