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投げ込んだ草鞋がお降りになった家

所在地徳島県阿南市羽ノ浦町岩脇
年代幕末
登場民衆、記録者
出典阿波えゝぢやないか

どんな伝承か

勢見の金比羅宮に参詣するつもりで岩脇のあたりまで来ると、五人のうち一人が草鞋に慣れず、指の股を真赤に擦りむいていた。そこへ往来から半丁ばかり入り込んだ山裾の大家で踊っているのが見えたので、五人は門前から踊り出し、門を潜った。足の痛い者が提げていた草鞋を座敷へ投げ上げると、座敷の連中は御降りだと狂喜して床の間に供えた。五人も土足のまま座敷に上がって踊ったが、襖を開けて出て来た主人はかえって礼を述べ、女中に本膳を運ばせたので、五人は空恐ろしい気がしたという。

原典より

勢見の金比羅宮を參詣するつもりで、岩脇へんまで來ると、五人の中の一人が顔を顰め始めた。—— 阿波えゝぢやないか(山口吉一・民俗・幕末世相史・1931年(昭和6年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

阿波えゝぢやないか(山口吉一・民俗・幕末世相史・1931年(昭和6年))

『阿波えゝぢやないか』は、山口吉一が一九三一年に著した、幕末の「ええぢゃないか」騒動の記録である。慶応三年の暮れに阿波で起きたお札降りと踊りの騒ぎを、県内の古老五十余人からの聞き書きと郡村史誌などの記録によって、起因・神異・服装・歌謡・禁忌などの面からたどる。徳島日々新報への連載をまとめたもので、概観篇・詳述篇・挿話篇・補遺篇から成り、鳥居龍蔵の序、話者の古老の一覧、太田明の「御下り踊私考」を付す。

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