知らされぬまま迎えた開館式
どんな伝承か
昭和三十一年九月二十七日、福来博士記念館の開館式は、建設に奔走した著者に何の知らせもないまま執り行われた。会場に足を運んだ著者は、新興宗教の幹部から人前で罵られるという仕打ちまで受けている。それでも著者は、博士を顕彰するために積み上げてきたものを自ら汚すまいと考え、その場では黙って耐えた。だが、その態度に納得できなかった親友の一人とは、ついに袂を分かつことになった。喜ばしいはずの式が、苦い記憶として残された。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
念写発見の真相(山本健造・念写・超心理研究・1980年(昭和55年))
『念写発見の真相』は、飛騨に住む山本健造が著した福来友吉の伝記と学説紹介の書で、はしがきは昭和五十五年十一月三日付である。念写を発見した福来の幼少期から、東京帝大での透視・念写実験と追放、宣真女学校長・高野山大学教授の時代、仙台での晩年までをたどり、著者による高山市の福来博士記念館建設の経緯や六次元の原理を述べる。全十五章からなり、第二章に福来の論文「弘法大師の御霊影」を再刊のことばとともに収める。