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本陣の寝所に並ぶ二つの首

所在地宮城県白石
年代不明
登場本陣主人、葵の紋の大名一行
出典東北怪談の旅

どんな伝承か

米沢のほうから白石へ向かう五十人ほどの大名行列があり、七ヶ宿街道の本陣に朱塗りの駕籠が止まった。前触れがないことを尋ねた本陣の主人は、この行列は葵の紋だと叱られ、平身低頭した。駕籠は奥の間に運び込まれ、供の武士が厳重に固めた。薄気味悪さを感じた主人は、夜更けに隠し廊下から寝所の天井へ忍び出た。絹布団の上には首が二つあり、一つは大名風、一つは奥方風の髷を結っていた。首たちは旅の疲れを労い合っていた。翌朝、行列は何事もなく出立し、主人は宿泊控に葵の紋所とだけ記したという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

東北怪談の旅(山田野理夫・1974年(昭和49年))

『東北怪談の旅』は、山田野理夫が昭和四十九年に編んだ東北地方の怪談集である。青森・秋田・岩手・宮城・山形・福島の六県に伝わる妖怪や幽霊の話、飢饉と間引にまつわる話、江戸時代の奇談などを、一番から一六三番までの短い話として収める。各話の末尾に県名を記し、恐山や飢饉の記録にふれて東北の怪談と怨念を結びつけるまえがきと、怪談観や霊能者をめぐる回想を記したあとがきを付す。

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