捨てられた尼の亡骸から出た火
どんな伝承か
人の体の中から火が出たという記事は、八百年前の大二条殿日記にも見える。京の六条壬生に、死んだ尼の亡骸が打ち捨てられていたところ、犬が来て腹を一口かみ破ると、腹の中から火が出て来たと記されているという。
原典より
六條壬生に尼の死したるを引棄てたりけるを、犬来りて腹を一口喰ひ破りたりければ、腹の中より火出で来て云々。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)
『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。