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亡父の声で人相を言い当てる塩冶の農夫

所在地島根県出雲市
年代伝承(口承)
登場藤原繁太郎、霊の耳打ちで人相を言い当てる農夫
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

二、三年前、著者が島根県簸川郡塩冶村の友人の家に泊まると、近所に住む三十五、六の農夫藤原繁太郎を引き合わされた。人の顔を恐ろしい目つきで見据え、人相で何でも言い当てるので、年に三、四千人が観てもらいに来るという。だが二時間近く著者を見つめても肝心なことは言えず、千人に一人の分からない人だと降参した。著者が、あなたには守る霊がついて耳打ちしているのだろうと問うと、繁太郎は、四歳で死に別れた父と思われる見知らぬ男が七年前の夢に現れ、何でも知らせてやると告げて以来、人の顔を見ると耳の奥で声が聞こえるのだと打ち明けたという。

原典より

此壯漢は近隣に住む藤原繁太郎なる農業家であるが、恐ろしい眼つきで初対面の人の顔を凝視する癖がある。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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