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花摘みの山から木曽へ消えた小学生

所在地山梨県甲府市
年代大正
登場相澤富雄、相澤榮吉、太郎、体験者、伝承者、体験者(神隠しに遭った学童・小学三年)、父、同行した友人
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

大正五年七月二十二日、甲府市の東北に接する相川村の相沢栄吉の長男で小学三年の富雄は、友達の太郎と連隊近くの山へ花摘みに出かけた。昼過ぎに太郎だけが戻り、富雄は帰らないので村人が山を探していると、夕方六時ごろ、長野県西筑摩郡日義村の宮ノ越付近で迷子を保護したと電報が届いた。三十里も離れた土地で、汽車に乗らなければ数時間で行ける距離ではない。太郎は山で急に眠くなり、目を覚ますと富雄がいなかったと話した。日義村の人によると、富雄は線路の上を父を呼んで泣きながら走っていて、どこから来たかと聞くと山を指した。富雄は、ぼんやりして誰かに引かれたようだが、その後は覚えていないと語ったという。

原典より

相川村から宮ノ越までは三十里計りあるのだから、汽車に乗つたら知らぬこと、さもなけねば、四五時間で行ける筈がない。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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