中学二年の晩に老婆の霊が憑いた少女
どんな伝承か
沖縄市出身の女性ユタSさんは、八人兄弟の二女で、父は小学校の教師だった。幼少のころは悪質の喘息で学校も休みがちで、家庭の悩みの種だった。医院通いを続けても良くならないので、母はある日わらにもすがる思いでユタの門を叩いた。すると「この子はサーダカウマリ(高い霊力を持って生まれること)をしている。やがて霊界からのお知らせを受けるようになる」と言われたが、母は信じずに腹を立てて帰った。しかしSさんが中学二年になったばかりのある晩、島袋姓を名乗る老婆の霊が突如彼女に憑依し、老婆そっくりの言動に家族は大騒ぎとなった。そのとき母の心を占めたのは、あのユタの予言だったという。
原典より
しかし、Sさんが中学二年生になったばかりのある晩、島袋性を名乗る老婆の霊が彼女に突如憑依(ひょうい)したのである。—— ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社)
『ユタと霊界の不思議な話』は、月刊沖縄社が編んだ、沖縄の霊能者ユタについての取材記録である。那覇など都市地区の有名なユタへの取材をもとに、持ち込まれる相談、ユタになったいきさつ、マブイと霊界の考え方、十二支寺や拝所巡拝の意味を問答の形で記し、依頼者の体験談も添える。序章の体験談と四つの話に続いて、ユタを母に持った子の手記、霊示を書き取る人の話、有名霊能者百二十人の一覧、用語説明を収める。