八重山の御嶽の神木が招いたタタリ
どんな伝承か
那覇市の五十歳の公務員男性は大の三味線好きだった。昭和五九年九月、石垣へ出張した折に現地の職場の人から、三味線の材として名高い八重山の黒木をもらい、喜んで持ち帰って庭で干した。ほどなく右腕がしびれて三味線が弾けなくなり、神経痛と診断された。二、三か月後には妻も原因の分からない頭痛に悩まされはじめた。紹介されたユタを訪ねると、八重山から何か持ち帰っていないかと即座に問われ、黒木は御嶽の神木だから送り返してお祓いをするよう言われた。しぶしぶ石垣へ返して祈願してもらうと、夫婦の痛みは潮が引くように治まったという。
原典より
黒木だというと「それは御嶽の神木なのです。すぐ送り返して、おはらいをしなさい」という。—— ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社)
『ユタと霊界の不思議な話』は、月刊沖縄社が編んだ、沖縄の霊能者ユタについての取材記録である。那覇など都市地区の有名なユタへの取材をもとに、持ち込まれる相談、ユタになったいきさつ、マブイと霊界の考え方、十二支寺や拝所巡拝の意味を問答の形で記し、依頼者の体験談も添える。序章の体験談と四つの話に続いて、ユタを母に持った子の手記、霊示を書き取る人の話、有名霊能者百二十人の一覧、用語説明を収める。