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亡き娘が貸した葬式の提灯と杖

所在地沖縄県石垣市字大浜
年代明治〜昭和
登場村山、上地、竹富小学校の教員・クャーマの恋人、竹富小学校の教員・提灯を借りた人
出典沖縄怪談集 逆立ち幽霊

どんな伝承か

夏休みに竹富島の小学校から石垣島の四ヵ村へ帰った村山と上地の両先生は、泡盛を酌み交わすうち、妻子のある村山が、大浜小学校にいたころ知り合った娘が大浜村にいて、竹富へ転勤する前の晩には一晩中泣いて別れを惜しんだと打ち明け、二人で会いに出かけた。途中の榕樹の陰で迎えに出ていた美しい娘クャーマに会い、大浜村の彼女の家でもてなされたが、上地はあるはずのない松風の音を聞いて寒気に襲われ、一人で帰ることにした。夜道は危ないとクャーマが弓張提灯と杖を持たせてくれ、帰りの平得村では野犬の群れを追い払うのに役立った。ところが明け方見ると、提灯は葬式で墓前に供える白張りの提灯、杖は金紙を巻いた葬式用の青竹だった。その晩クャーマの家に泊まり夜明け前に帰っていた村山が、妻に尋ねると、クャーマは風邪がもとで亡くなり、前日がちょうど三七日だったという。

原典より

弓張りの提灯は、葬式のとき墓前にそなえる白張りの提灯で、ステッキも同じく、青い小竹に金紙を巻いた葬式用のものであった。—— 沖縄怪談集 逆立ち幽霊(伊波南哲) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

沖縄怪談集 逆立ち幽霊(伊波南哲)

『沖縄怪談集 逆立ち幽霊』は、石垣島で育った詩人の伊波南哲が、新聞や雑誌に書いた話と書きおろしを合わせ、沖縄の怪談を物語風に綴った怪談集である。那覇の辻遊廓や一日橋、首里、石垣島・竹富島などを舞台に、遊女や捨てられた女の幽霊、遺念火、キジムナー、お化け封じの術を描き、戦後のタクシー幽霊の噂や東京で起きた位牌の嫁入りの話も取り上げる。題を付けた二十二話のあとに「怪談断片集」を置き、少年時代を語る「果たして幽霊はいるのか」で結ぶ。

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