渇きを癒しに現れたもう一人の自分
どんな伝承か
東京都八王子市のM・Eは、幼児のころからひどい小児喘息に苦しみ、毎晩発作で母を起こして夜中に水を飲ませてもらっていた。母は面倒がり、寝る前に枕元のテレビの上にコップの水を置くようになった。小学校に上がるころのある晩、Mは激しい喉の渇きで目覚めたが、体がだるくてどうしても起き上がれなかった。あきらめかけたとき、突然目の前にもう一人の自分が現れ、テレビの上の水を飲み始めた。恐怖はなく、その姿を見ているうちに安心してすぐ眠ったという。自己像幻視が本人の願望を代わりに実現した例とされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション)
『臨死体験(立花隆)』は、立花隆が著したノンフィクションである。一九九一年三月放送のNHKスペシャルのための取材を出発点に、日本と欧米の体験者の証言、キュブラー・ロスやムーディら研究者への聞き取り、「文藝春秋」連載中に寄せられた体験談を収める。体外離脱、光の体験、文化による体験の差、感覚遮断や脳の仕組みを章ごとに論じ、末尾で現実体験説と脳内現象説を比べたうえで、著者は基本的に脳内現象説に立つと述べる。