顔をなでた白い自分
どんな伝承か
自己像幻視はさまざまな原因で起こる。脳血管障害や脳腫瘍、脳炎のほか中毒や幻覚剤、てんかんや精神の疾患でも生じるし、病気でなくとも疲れているときや眠りに入るときに現れることがある。直観の鋭い人や芸術家に突然起こる例も報告されている。東京都文京区の根石和子は五十七歳。五年前に胃と膵臓と脾臓を切除する手術を受け、集中治療室に戻ってまだ麻酔がかかっていたときに体験した。周囲には誰もいなかったはずである。寝ている自分のそばに白い人が来て、見ると自分と同じ顔をしていた。その人が顔をなでてくれ、手はひどく冷たかったが、恐ろしさはなく穏やかだったという。家族はガラス越しにしか入れず、なでることはできなかった。
原典より
前にも述べたが、このような自己像幻視はさまざまな原因で起こることが知られている。—— 臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・平成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・平成)
トム・ソーヤーの変身・オメガプロジェクト・色を聴く(共感覚)・クンダリニー覚醒・時間なき世界・光の存在/光の世界・星への旅・体外離脱とは何か・脳と心の関係・シルヴィウス溝・死のリハーサルなど全章にわたり、臨死体験者の証言(弟の気持ちを知る・ベトナム帰還兵・登山家の奇跡)と、ムーディやケネス・リングらの研究、脳科学的解釈を縦横に検討。