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坂田山の狸の腹鼓と雄山寺裏の竹林火事

所在地栃木県鹿沼市(雄山寺)
年代昭和十五年
登場斎藤てる子
出典現代民話考 ― 偽汽車

どんな伝承か

鹿沼市の坂田山では手をたたくとキャッキャッと返ってくるので、子どもたちはキャッキャ山と呼んでいた。昭和七年に山の裏手へ東武日光線が敷かれ、夜は木材を積んだ貨車が通るようになると、ときおりポンポンと音がして、狸が喜んで腹鼓を打つのだと噂された。線路は坂田山で大きく曲がっている。昭和十五年のある夜、ひときわにぎやかに音が響き、山に続く雄山寺の住職が寺の裏を見ると火が出ていた。竹林に燃え移っており、近所の人が寺の井戸の水を手渡しで運んで消した。貨車の火の粉で竹がはじけた音と分かって腹鼓の噂は消えたが、キャッキャッの声の正体は分からずじまいだった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・現代民話考(ちくま文庫)・2003年(平成15年))

『現代民話考――偽汽車』は、松谷みよ子が編んだ『現代民話考』全十二巻の第三巻で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。鉄道開通のころ狸や狐が汽車に化けたという偽汽車の話、船幽霊や幽霊船など海の怪談、タクシーの幽霊など自動車や列車の怪談と笑い話を、全国の回答者の聞き書きや新聞・雑誌・書籍から集める。三章それぞれの冒頭に考を置き、話ごとに本文と分布を並べて地名・話者・出典を添える。

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