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渡し場で溺れた母の亡霊

所在地秋田県大仙市長野二日町
年代大正九年
登場鈴木三郎、藤田秀司、佐々木ミツ、渡し場で溺死した女性
出典現代民話考 ― 偽汽車

どんな伝承か

大正九年頃の話。玉川東の長野二日町に住む佐々木ミツという四十五歳の女が、川西の竹原部落の親戚の嫁入り祝儀に行き、五歳の男の子を連れて夜中に帰ってきた。渡し守が向こう岸の小屋にいたので、自分で子を舟に乗せ、渡し場の綱をたぐった。途中で舟が水巻きに会い、母は綱から手を離してしまい、舟は母子を乗せたまま流された。母は川に落ちて死に、子は翌朝川下で拾い上げられた。母の死体は上がらず、毎夜家の水屋に亡霊が出て多くの人が見た。一週間後に死体が上がり、僧が経を上げるとその日から出なくなった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・現代民話考(ちくま文庫)・2003年(平成15年))

『現代民話考――偽汽車』は、松谷みよ子が編んだ『現代民話考』全十二巻の第三巻で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。鉄道開通のころ狸や狐が汽車に化けたという偽汽車の話、船幽霊や幽霊船など海の怪談、タクシーの幽霊など自動車や列車の怪談と笑い話を、全国の回答者の聞き書きや新聞・雑誌・書籍から集める。三章それぞれの冒頭に考を置き、話ごとに本文と分布を並べて地名・話者・出典を添える。

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