トップ > 青森県の伝承 > 青森市

青森港沖で舟を突き上げた海坊主

所在地青森県青森市(青森港)
年代現代
登場山口晴温、中村清治郎、中村清美、体験者、報告者・長男
出典現代民話考 ― 偽汽車

どんな伝承か

昭和十八年頃のこと。釣り好きの中村清治郎さんは、夕方に海釣りに出ると翌日の明け方に帰ってくるのが常だった。この日も夕方、市内の中央を流れる堤川の河口から一人で愛用のボートを漕ぎ出し、約一・五キロ沖で錨をおろしてトーチランプの灯りで釣りをはじめた。なま温い風が吹いてはやみ、やがて強まって雨を誘い、ボートは大きく揺れた。急いで帰ろうと漕いでいると、暗闇の海上にもくもくと大きな黒い影が盛り上がり、ぐんぐん押し迫ってきた。海水が煮えたぎるように揺れてボートを突き上げ、河口近くで横波を受けて転覆したが、泳ぎ着いて命拾いした。漁師はそれは海坊主だと言った。

地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・現代民話考(ちくま文庫)・2003年(平成15年))

『現代民話考――偽汽車』は、松谷みよ子が編んだ『現代民話考』全十二巻の第三巻で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。鉄道開通のころ狸や狐が汽車に化けたという偽汽車の話、船幽霊や幽霊船など海の怪談、タクシーの幽霊など自動車や列車の怪談と笑い話を、全国の回答者の聞き書きや新聞・雑誌・書籍から集める。三章それぞれの冒頭に考を置き、話ごとに本文と分布を並べて地名・話者・出典を添える。

種別から探す

乗り物の怪異海坊主

青森市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『現代民話考 ― 偽汽車』の伝承