辺野古への道に三晩続けて出た女
どんな伝承か
沖縄の新聞に載った怪談である。十一月の中旬、三日も続けて幽霊が出たという話がもちあがり、アメリカ人の目撃者まで現れて沖縄の話題をさらった。場所は北部の名護。北部観光タクシーの比嘉広夫は、十七日午前一時ごろ名護から久志村の辺野古へ客を送った帰り、許田へ通じる一二二号線横断道路に入って最初のカーブにさしかかったところで若い女に呼び止められ、「名護までお願いします」とはっきりした口調で言われて乗せた。東江入口まで来て行き先を聞こうと振り返ると、女の影も形もなかった。名護給油所に駆け込んだ比嘉は、震えが止まるまで一時間もかかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・現代民話考(ちくま文庫)・2003年(平成15年))
『現代民話考――偽汽車』は、松谷みよ子が編んだ『現代民話考』全十二巻の第三巻で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。鉄道開通のころ狸や狐が汽車に化けたという偽汽車の話、船幽霊や幽霊船など海の怪談、タクシーの幽霊など自動車や列車の怪談と笑い話を、全国の回答者の聞き書きや新聞・雑誌・書籍から集める。三章それぞれの冒頭に考を置き、話ごとに本文と分布を並べて地名・話者・出典を添える。