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人柱の噂とトンネルに満ちるうめき声

所在地愛知県蒲郡市
年代現代
登場柵木、確認に立った人物
出典現代民話考 ― 偽汽車

どんな伝承か

愛知県蒲郡市の保線支所では、幹部の間でも「コンクリート壁には人柱が塗り込んである」と真顔で語られていた。深夜のレール溶接補修などは終列車から始発列車の間に行われるが、当番の作業員は「みんな嫌がって仕事にならない」という。ひとりになるとどこからともなくうめき声や泣き声が聞こえ、雲ひとつない満月の夜なのに周囲が暗闇に包まれ、震え上がって逃げ出すとまた明るい月夜に戻るのだという。あまりの騒ぎに柵木さんが「作業妨害だ」と満月の夜に自ら確かめに行ったところ、午前一時過ぎ、確かにうめき声と闇を体験し、作業員たちの訴えが事実だったと認めたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・現代民話考(ちくま文庫)・2003年(平成15年))

『現代民話考――偽汽車』は、松谷みよ子が編んだ『現代民話考』全十二巻の第三巻で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。鉄道開通のころ狸や狐が汽車に化けたという偽汽車の話、船幽霊や幽霊船など海の怪談、タクシーの幽霊など自動車や列車の怪談と笑い話を、全国の回答者の聞き書きや新聞・雑誌・書籍から集める。三章それぞれの冒頭に考を置き、話ごとに本文と分布を並べて地名・話者・出典を添える。

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