舟競べで三谷のものになった大島
どんな伝承か
旧宝飯郡三谷町沖の大島に伝わる話。この島は昔どの村のものとも決まっておらず、三谷・蒲郡・形原の三村が同じ日の同じ時刻に舟を漕ぎ出し、最初に着いた村のものにすると取り決めた結果、三谷村が勝って島を得たという。島には昔竜神が上がったという言い伝えがあり、二羽の鳥が住んでいて昔から数が増えも減りもしないともいう。島の西には蛇穴があって大蛇が棲み、竹島の弁天へ使いに海を渡るのを見た者がいると伝わる。また昔は草木が茂って蛇が群れており、蛸と蛇のそれぞれ親分格が海際で戦い、蛇は松の木の上に陣取り蛸はその下から睨み合ったが、ともに力尽きて海に沈んで死んだと、これを見た漁師が語り伝えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
愛知県伝説集(福田祥男・1961年(昭和36年))
『愛知県伝説集』は、福田祥男が昭和三十六年に著した愛知県の伝説集である。尾張・三河の山や海、淵や池、地蔵と観音、石や塚、城跡、地名、動物と変化、植物、祟りと怨霊などにまつわる言い伝えを、原型に忠実に再現することをめざして平易な文で語り直し、話の末に郡市名を添える。山の伝説から其の他の伝説まで十五の部に分け、あとがきでは前年に出した『愛知県伝説集・虹と黒潮』を全面的に改稿し増補したと記す。