岡本に居座り編集室を掃除させた半蛇姫
どんな伝承か
十月十四日の夕方、梅田の大正日々新聞社二階の神前で現れた半蛇竜神は、このまま岡本信之の体にとどまって修行させてほしいと願い出た。審神者の浅野和三郎は、それは身勝手だ、まず改心して万代池へ帰れと諭した。ところが半蛇姫は未練がましく岡本の体に居座っていたことが後に分かった。翌十五日、岡本は未明から叩き起こされ、怠け者だと言われて半ば無意識のうちに雑巾を持たされ、広い編集室を一人で掃除させられた。さらに暇さえあれば艮の金神のお筆先を読み聞かせるようせがまれ、それが十九日の朝まで続いたという。
原典より
この肉体(岡本君のこと)は懶けているから不可とて、半ば無意識のうちに筆を取らされ、雑巾を持たされて、無我夢中で広い編集室を一人で掃除させられてしまった。—— 日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年))
『日本神異見聞伝』は、笠井鎮夫が昭和四十九年に著した霊異の見聞記である。第一篇では、大正期に大本で鎮魂帰神を受けた著者が、霊媒による死者の招霊や狐霊・竜神の託宣、霊石の発掘などを研究会での語りの口調で伝える。第二篇では、慶応三年のええじゃないかのころ尾張・遠江・駿河・美濃・丹後などで起きたお札降りを、旧家の古文書や郷土史家の便り、著者の現地調査から記録している。