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樋の水で決めた尾張富士と本宮山の背くらべ

所在地愛知県犬山市(尾張富士)
年代伝承
登場八百比丘尼、木花咲耶姫命
出典愛知県伝説集

どんな伝承か

犬山の五郎丸に住んでいた八百比丘尼の夢枕に、尾張富士の祭神である木花咲耶姫命が現れ、隣の本宮山より背が低いのが悔しいので、山頂へ小石一つでも運んで背を高くしてくれた者の願いは何でも叶えると告げた。比丘尼が里人に伝えて皆で石を運んだ日が旧の六月一日で、いまも石上祭として続くという。別の話では、二つの山の神が背比べで口論になり、樋を渡して水を流し、低いほうへ流れた側を負けと決めた。楽田の本宮山が二九三メートル、池野の尾張富士が二七七メートルなので、水をかぶったのは尾張富士だった。三河でも宝飯郡の本宮山と石巻山、吉祥山の間で同じ高さ争いが語られ、投げ合った石が礫石として残るという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

愛知県伝説集(福田祥男・1961年(昭和36年))

『愛知県伝説集』は、福田祥男が昭和三十六年に著した愛知県の伝説集である。尾張・三河の山や海、淵や池、地蔵と観音、石や塚、城跡、地名、動物と変化、植物、祟りと怨霊などにまつわる言い伝えを、原型に忠実に再現することをめざして平易な文で語り直し、話の末に郡市名を添える。山の伝説から其の他の伝説まで十五の部に分け、あとがきでは前年に出した『愛知県伝説集・虹と黒潮』を全面的に改稿し増補したと記す。

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