坂野坂トンネルに映る青白い男の顔
どんな伝承か
昭和三十九年十月一日、東海道新幹線が開業した直後から、蒲郡市と額田郡にまたがる坂野坂トンネルで怪異が続いた。列車のバックミラーや車窓に青白い男の顔が映るとの証言が複数の運転士から寄せられ、深夜の点検作業中にはトンネル内に工夫姿の男が現れ、ヘッドライトの光が届くと消えた。西口二〇〇メートル地点は九州出身の若い作業員が不発弾の処理中に死亡した場所で、その付近だけ赤茶けた「赤水」が湧くという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・現代民話考(ちくま文庫)・2003年(平成15年))
『現代民話考――偽汽車』は、松谷みよ子が編んだ『現代民話考』全十二巻の第三巻で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。鉄道開通のころ狸や狐が汽車に化けたという偽汽車の話、船幽霊や幽霊船など海の怪談、タクシーの幽霊など自動車や列車の怪談と笑い話を、全国の回答者の聞き書きや新聞・雑誌・書籍から集める。三章それぞれの冒頭に考を置き、話ごとに本文と分布を並べて地名・話者・出典を添える。