成長して枕元に現れた亡き娘
どんな伝承か
横浜に住む伯母は、男の子を産んで八年目に女の子を授かった。もう子は望めないと医者に言われていたので大喜びしたが、女の子は一歳の誕生日を目前に肺炎で亡くなり、伯母は悲しみに沈んだ。六年余りたったある夜、いつものように仏壇に線香を上げて床に就くと、足もとに白いものが浮かび、しだいに女の子の姿になった。白い洋服に赤いスカート、長い髪が揺れていた。女の子は六年前に死んだきよみだと名乗り、今は小学一年生で毎日楽しく過ごしている、設備のよい病院なら助かったろうと告げて消えた。伯母は安心して眠りについたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。