素足の音と勝手に開く戸
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どんな伝承か
昭和十五年頃、尾上町の猿賀地方であったという話。ある家で晩飯を食べていると、土間のほうからぴたぴたと素足で歩いてくる音がした。足音は土間から台所(ジョイ)に通じる戸のそばまで来るとぴたりと止まり、ガラガラと戸が開いた。みな茶碗を持ったまま、誰が来たのかと見ていたが、誰も入ってこない。まもなくピタンと戸が閉まった。家族が顔を見合わせたとき、別な戸がまたガラガラと開き、ピタンと閉まった。誰かが立って戸を開けてみても、土間には誰もいなかった。翌日になってから、親類の人が死んだという電報が届いたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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