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毎夜乳を含ませに来る亡妻

所在地福島県白河市
年代不明
登場心霊研究者、幽霊の体験者
出典幽霊は語る

どんな伝承か

奥州白河の近くに住む武士に、深い仲となった女があり、数年ののち男の子を産んだ。女は死に際に、男の子を産めば正妻に直すという約束が果たされぬなら子を返してくれと言い遺した。女の母は娘を他家へ再婚させようとしたが娘が承知せず、短刀を抜いて争ううちに誤って刺し殺した。男が形見の嬰児を守っていると、ある夜、子の刻に襖が開いて女が入って来て、笑いながら乳を含ませた。翌日尋ねると、女は親に斬られて死んだという。以来、女は毎夜のように現れ、抱きついても手応えがないのに言葉は交わせた。白河のある寺の和尚に供養を頼むと、女は成仏できたと告げ、筆で一首を書き、髪の毛を残して去った。筆跡は生前の手と同じであった。

原典より

* 白飯を食ふ幽靈* 死後傳書の焼棄を頼む* 茶を飲んだ幽靈* 出棺の握飯を食ふ幽靈* 天井へ大坊主* 死人があると睡い* 足音やら妙な音—— 幽霊は語る(梶天真・1938年(昭和13年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽霊は語る(梶天真・1938年(昭和13年))

『幽霊は語る』は、梶天真が昭和十三年に編んだ幽霊譚と幽霊論の集成である。葬送の習俗や海外の霊魂観から説く幽霊思想、幻覚や網膜の作用による幽霊の説明、乃木大将や許斐大尉の見た幽霊などの実話、古典や伝説に現れる男女の幽霊・怨霊・生霊、幽霊写真、化物屋敷、霊界通信を集める。三篇に分かれ、第二篇は幽霊を男女・怨霊・生霊・小児の見た幽霊・食物に縁ある幽霊・前知らせなど八項に分類し、巻末を夕張と筑前の幽霊問答で結ぶ。

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