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旅籠で駒の精を吸うろくろ首

所在地福島県白河市
年代享保十一年
登場庄内藩一行と旅の女
出典東北怪談の旅

どんな伝承か

享保十一年のことである。白河の城下の旅籠に庄内藩の一行が泊まり、馬小屋には殿さまの乗馬である見事な栗毛の駒がつながれた。見張りの者が寝ずの番をしていたが、夜更けにうとうとしはじめた。翌朝、栗毛の駒はどこか元気がなかった。馬奉行は、夜のうちに馬が精を吸い取られたらしい、見張りもいたのだから馬小屋に近づける者はいないはずだがと首をかしげた。その旅籠には一人の旅の女が泊まっていた。女は栗毛の駒を見て駒のものが欲しくなり、皆が寝静まった頃に首を伸ばして駒の股を吸ったのである。庄内の殿さまの駒は弱ったまま江戸へのぼり、奥州へ下るろくろ首の女は、獣のように街道を駆けていったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

東北怪談の旅(山田野理夫・1974年(昭和49年))

『東北怪談の旅』は、山田野理夫が昭和四十九年に編んだ東北地方の怪談集である。青森・秋田・岩手・宮城・山形・福島の六県に伝わる妖怪や幽霊の話、飢饉と間引にまつわる話、江戸時代の奇談などを、一番から一六三番までの短い話として収める。各話の末尾に県名を記し、恐山や飢饉の記録にふれて東北の怪談と怨念を結びつけるまえがきと、怪談観や霊能者をめぐる回想を記したあとがきを付す。

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