六角村が寄付を集めた大崎の御鍬様祭り
どんな伝承か
宝飯郡六角村の区有文書に、慶応三年七月二十五日から二十六日にかけての「御鍬様祭り」の寄附帳が残る。一門あたり金二朱、半門は一朱の割で集め、二十二軒から金二両一分二朱と四百文を得て、二十五日に隣村大崎村の庄屋へ渡した。大崎の住吉神社には伊雑大神を祀る御鍬社があったので、その祭礼のための寄付だったと著者は見ている。豊川周辺でも御鍬百年祭が営まれていたことを示す史料の一つである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ええじゃないか始まる(田村貞雄・1986年(昭和61年))
『ええじゃないか始まる』は、田村貞雄が一九八六年に著した幕末の民衆運動「ええじゃないか」の研究書である。慶応三年に三河から遠江・駿河へ広がった御札降りの発端を、牟呂村の「二夜三日正月」、御鍬百年祭、吉田宿の助郷騒動、秋葉信仰との関わりから、村方の文書や日記、市町村史の史料をもとに追う。はしがきに続く八章で発端から波及、仕掛人をめぐる諸説、祭の後の「代替わり」までを論じ、主な史料はその原文を別組で示す。