姫街道嵩山宿の人馬賃銭値上げ願い
どんな伝承か
御油宿から浜名湖の北を回って浜松の東で東海道に合流する本坂通(姫街道)の嵩山宿では、慶応三年四月に吉田役所へ人馬賃銭の値上げを願い出た。近年は東海道の浜名湖今切の渡しが風や波で渡りにくくなり、本坂通を通る者が増えた。ところが険しい山道のうえ助郷村の人馬は少なく、東海道の宿の人馬を高い賃銭で雇って苦労して継ぎ立てていた。そのうえ宿付きの助郷村のうち数か村は東海道の宿の代助郷・増助郷に回され、かつてない物価高も重なって困り果てていたのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ええじゃないか始まる(田村貞雄・1986年(昭和61年))
『ええじゃないか始まる』は、田村貞雄が一九八六年に著した幕末の民衆運動「ええじゃないか」の研究書である。慶応三年に三河から遠江・駿河へ広がった御札降りの発端を、牟呂村の「二夜三日正月」、御鍬百年祭、吉田宿の助郷騒動、秋葉信仰との関わりから、村方の文書や日記、市町村史の史料をもとに追う。はしがきに続く八章で発端から波及、仕掛人をめぐる諸説、祭の後の「代替わり」までを論じ、主な史料はその原文を別組で示す。