千種の国道を埋めるシカの群れ
どんな伝承か
著者は野生のツキノワグマを二度目撃している。一度目は平成二十一年八月、長野県栄村大字堺の切明温泉西方で、母グマと子グマが林道を横切った。二度目は平成二十六年九月、岐阜県高山市清見町牧ヶ洞の国道158号で、子グマが農家らしい家へ駆け込んだ。シカはさらに数が多く、平成二十年代前半、兵庫県宍粟市千種町から波賀町斉木へ至る国道429号を未明に走ったとき、三〇頭を超すシカを見た。民家や畑のわきを悠々と歩き、車のライトが当たるたびに目が光ったという。
原典より
罠にかかったイノシシ人なつこいことも、あるらしいあのとき山中には何がいたか第9章 氷室と風穴を訪ねて「氷の朔日」土佐国・手箱山の「雪屋」周辺より著しく寒い土地がある天然クーラーの方は庶民が利用した—— 村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年))
『村の奇譚 ― 里の遺風』は、民俗研究者の筒井功が平成三十年に著した民俗探訪記である。修験の里の石室、石風呂と焼き石湯、山中の贋金づくり、箕作りの集団や天幕部落、岩窟に暮らした非定住民、猿と猟師、氷室と風穴、産屋、墓制、安倍晴明の墓、狐憑きと犬神など、各地の村に残る習俗と伝承を、聞き取りと文献の両面からたどる。全十三章で、昭和三十年前後の高知市での見聞から説き起こし、「おわりに」では別の出版社で刊行が見送られた経緯を記す。