左眼が赤い新宮の小池の泥鰌
どんな伝承か
岩野辺の新宮にある小池の泥鰌は、どれも左の眼が赤く充血しているという。羽柴秀吉に追われた長水城主宇野下総守が当地へ落ちのびるとき、四男の五郎兵衛光兼が左眼を射られながらも父を守って奮戦し、ようやくこの池のそばで矢を抜き取り、池の水で傷を洗った。その由縁で、今もこの池の泥鰌はみな左の眼が赤く腫れあがっているのだと伝えられている。
原典より
〈柳田―「片眼魚」〉岩野辺字新宮の小池に住む泥鰌は、左眼が赤く充血している。—— 日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第8巻』は、黄地百合子・酒向伸行・田中久夫が滋賀・京都・兵庫の三府県を分担して執筆し、福田晃がまとめた伝説集である。丹波の湖を神々が切り開いた国造りの話、神同士の争い、英雄や長者の盛衰、蛇と人の話、魚・鳥・石・塚・祠堂の由来などを、各地の口承や記載資料から集める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、高木敏雄・柳田国男の対応する話名を付す。