トップ > 栃木県の伝承 > 塩谷町

観音岩の洞窟から蟹沢へ移った一家

所在地栃木県塩谷郡塩谷町大字船生蟹沢
年代大正八、九年ごろ
登場浅吉、須藤勝次、義造、須藤勝次一家、無籍の箕作り一家の子・体験者、勝次の義父・箕作り職人
出典村の奇譚 ― 里の遺風

どんな伝承か

栃木県塩谷町佐貫の観音岩の洞窟で大正の半ばに家族と暮らした須藤勝次さん(一九〇九年生まれ)の一家は、当時籍を持たない箕作りだった。大正八年か九年ごろ、一家は洞窟を出て、北西へ三百メートルほど離れた同町船生の通称「がんざわ」(蟹沢)へ移った。一帯の山林は旧沼倉村の農家、須藤家の持ち山で、当主の浅吉さんと近づきになった義父の義造さんが、山番を務める代わりに蟹沢に小屋を建てて住むことを許されたのである。勝次さんによれば、一家はその山持ちから須藤の姓をもらって戸籍を得たといい、浅吉さんの孫の光永さんもこれを裏づけている。

地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年))

『村の奇譚 ― 里の遺風』は、民俗研究者の筒井功が平成三十年に著した民俗探訪記である。修験の里の石室、石風呂と焼き石湯、山中の贋金づくり、箕作りの集団や天幕部落、岩窟に暮らした非定住民、猿と猟師、氷室と風穴、産屋、墓制、安倍晴明の墓、狐憑きと犬神など、各地の村に残る習俗と伝承を、聞き取りと文献の両面からたどる。全十三章で、昭和三十年前後の高知市での見聞から説き起こし、「おわりに」では別の出版社で刊行が見送られた経緯を記す。

種別から探す

箕作り

塩谷町の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『村の奇譚 ― 里の遺風』の伝承