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寿川の念仏道場と髪を剃らないゴボさん

所在地富山県南砺市寿川(念仏道場)
登場筆者、ゴボさんのS家
出典村の奇譚 ― 里の遺風

どんな伝承か

富山県南西部、庄川上流の五箇山地方には、遅くまで在家の僧が広くいた。南砺市寿川もその一つで、集落には寺の代わりをした念仏道場が、文政四年に建てられた当時の茅葺きの姿のまま残っている。平成二十四年六月、道場の前で著者が会った昭和四年生まれの男性によると、葬式や法事の世話は向かいのSさんが務め、ゴボさんと呼ばれていた。五箇山では昔は村ごとに道場とゴボさんがあり、ゴボさんは髪を剃らなかった。Sさんの家は煙硝づくりで財をなした村の指導者格だったという。著者は、これを民間陰陽師の流れにつながる存在とみている。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年))

『村の奇譚 ― 里の遺風』は、民俗研究者の筒井功が平成三十年に著した民俗探訪記である。修験の里の石室、石風呂と焼き石湯、山中の贋金づくり、箕作りの集団や天幕部落、岩窟に暮らした非定住民、猿と猟師、氷室と風穴、産屋、墓制、安倍晴明の墓、狐憑きと犬神など、各地の村に残る習俗と伝承を、聞き取りと文献の両面からたどる。全十三章で、昭和三十年前後の高知市での見聞から説き起こし、「おわりに」では別の出版社で刊行が見送られた経緯を記す。

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