風害を鎮めた南山田の吹かず堂
どんな伝承か
南砺の城端、南山田の是安には級長戸辺社が祭られている。伝えによれば、寛文四年からこの地方は風の害に苦しみ、収穫が減って村々の暮らしが立ちゆかなくなった。そこで延宝三年、加賀の藩主前田利常が御田林一町一反を神社に寄進し、風の神を祭ることにしたという。すると不思議に風害はやみ、豊作が続いた。人びとはこの社殿を吹かず堂と呼び、五穀の実りを祈った。風が吹かぬようにと祈願に訪れる者が各地から増え、やがて礪波の吹かず堂の本社だといわれるようになったと伝える。
原典より
城端町の南山田の是安に、級長戸辺社が祭られている。—— 日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。