福光町の田に立つ夜鳴き石
どんな伝承か
富山県西礪波郡福光町の地内、田の中には一メートルたらずの碑が立っており、夜鳴き石と呼ばれる。夜中になると決まって火のつくように赤子が泣くという。碑が立てられたのは大正七年で、そのときねんごろな供養をしたと伝える。泣くという赤子は、四百年ほど前、敵に追われて逃げる途中の武将の妻が、生まれたばかりの子が泣いてしようがないので埋めたものだとされる。終戦後にも、ここを通ったタクシーが通夜の最中だった若い娘の幽霊を乗せたという話が伝えられている。
原典より
妊婦の腹を今でいう帝王切開みたいなことをして胎児を出す話は、母親がすでに死んでいるからこそ、それほど残虐とも感ぜずに行なえたろうとは申したが、これを生きながらやったのだということになると安達ヶ原の鬼女の話は、やはり鬼気お…—— 日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))
『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。