山中の草庵に籠もった花山法皇
どんな伝承か
福野町西野尻に安居寺という寺がある。その北の山中には、平安時代に花山法皇が諸国の霊場をめぐる途中で一年ほど過ごしたという跡が残る。粗末な草庵に住み、観世音菩薩を篤く信仰していたと伝わる。毎年七月十七日には、小原右衛門尉清原範光が勅使として遣わされ、法要が営まれた。勅使の通る道は小原越と呼ばれ、加賀国河北郡の津幡町から越中の蟹谷郷へ出て安居寺へ至る道筋で、いまも小原道が残っている。大正二年にはこの地に法皇の行脚を偲ぶ供養碑が建てられ、以後も毎年法要が続けられているという。花山法皇の霊跡の一つとして語り伝えられてきた。
原典より
福野町西野尻に安居寺というお寺がある。—— 日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。