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狛犬になった身代わりの狸の石像

所在地東京都台東区駒形二丁目
出典怪異雑考5-東京妖異所の系譜

どんな伝承か

浅草にほど近い駒形二丁目の神社には、境内に狸の姿をした狛犬が据えられている。なぜこのようなものがあるのかと宮司に尋ねると、本所七不思議にかかわる話だという。江戸時代、音で人をたぶらかす狸を懲らしめのために何日も立たせておいたところ、狸は宮司まで欺いた。隙をうかがって石で自分の姿をこしらえ、それを身代わりに向こう向きに立たせて去ったのである。宮司は狸がじっと動かずにいるのを感心して眺めていたが、石だと気づいたときには十年が過ぎていた。以来その像を狛犬代わりにそのまま置いているのだという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

怪異雑考5-東京妖異所の系譜(高橋敏弘・西郊民俗)

『怪異雑考5-東京妖異所の系譜』は、高橋敏弘が書いた連載「怪異雑考」の第五回で、『西郊民俗』第一二八号に載った小論である。渋谷の道祖神、駒形の狸の狛犬、泉岳寺駅の異変、四谷図書館の地下室、銀座・日比谷間の地下道の怪、明大前の顔のない地蔵、経堂の怪猫屋敷など、東京の街なかの怪異の場所を、筆者が訪ねて宮司や近所の人に聞いた話や新聞記事をもとに記す。七つの短い項に見出しを立てて並べ、祟りを鎮めるために祀られた神や地蔵のいわれを書きとめる。

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