松葉を焚くと鳴り響く吉備津の宮の釜
どんな伝承か
桑原予州が長崎への行き帰りに吉備津の宮へ参ったとき、社内の釜壇に差し渡し四尺余りの釜が据えてあった。供物を献じると、神人が米一合ほどを釜に入れて塩水で清め、釜の下で松葉を少し焚く。すると初めは鈴のように鳴り、しだいに音が高くなって、あたりに響きわたるほど大きく鳴った。やがて神人が塩水を打つと音はやんだという。同席した戸田因州公も、領分が近いのでたびたび参ったが不思議なことだと語ったと『耳袋』は記す。
原典より
桑原予州が長崎への往来に、**吉備津の宮**へ参詣した時、右社内に差渡し四尺余の釜が、釜壇に据えてあった。—— 講座日本風俗史別巻 妖異風俗((講座日本風俗史 別巻)・日本風俗史・民俗) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
講座日本風俗史別巻 妖異風俗((講座日本風俗史 別巻)・日本風俗史・民俗)
『講座日本風俗史別巻 妖異風俗』は、『講座日本風俗史』の別巻として、複数の執筆者が妖しく異様な風俗を論じた巻である。淫祠と性の祭礼、戦後の新興宗教、性にまつわる迷信、妖術・忍術・奇術、憑きものと特殊家系、心霊術と催眠術、異類との婚姻、性と怪異の関わりを、古典の随筆や各地の報告、事件の記録から取り上げる。九つの章に分け、終章「日本妖異風土記」では関東から九州・沖縄までの怪異譚を地方別・県別に掲げる。