姫路城天守の小刑部姫と兜の錣
どんな伝承か
姫路城の天守には小刑部姫という主がいると伝えられ、昼間でも三階より上へは誰も登れなかった。秋の雨の夜、宿直の若侍たちが噂をする中、森田図書が正体を見届けようと天守を昇っていくと、頂上で十二単の女性・小刑部姫に対面し、証拠として兜の錣の切れ端を授かった。下りる途中、大入道に灯を消されるが動じず引き返して再び上り、無事に下山する。錣は城主の家に伝わる重代の兜から引きちぎられたものと合致し、図書は城主松平大和守義俊から褒められたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
講座日本風俗史別巻 妖異風俗((講座日本風俗史 別巻)・日本風俗史・民俗)
『講座日本風俗史別巻 妖異風俗』は、『講座日本風俗史』の別巻として、複数の執筆者が妖しく異様な風俗を論じた巻である。淫祠と性の祭礼、戦後の新興宗教、性にまつわる迷信、妖術・忍術・奇術、憑きものと特殊家系、心霊術と催眠術、異類との婚姻、性と怪異の関わりを、古典の随筆や各地の報告、事件の記録から取り上げる。九つの章に分け、終章「日本妖異風土記」では関東から九州・沖縄までの怪異譚を地方別・県別に掲げる。