山陽本線で消えた飛び込みの人影
どんな伝承か
昭和五十八年十一月二十四日の昼過ぎ、姫路市勝原区熊見の国鉄山陽本線、網干と英賀保の間で、走ってきた門司発吹田行きの急行貨物列車に黒っぽい人影が飛び込んだ。三木登機関士は急ブレーキをかけたが間に合わず、人をはねたらしいと網干駅に連絡した。国鉄と警察の二十人ほどが出て付近を捜し、民家への聞き込みまでしたが、遺体どころか痕跡すら見つからない。捜査陣は午後三時半に事故はなかったと結論したが、機関士は確かに見たと譲らなかった。列車は現場に三十八分止まり、後続も遅れたと神戸の夕刊が伝えたという。
原典より
昭和五十八年十一月二十四日昼すぎ、姫路市内の国鉄山陽本線で、走行中の列車に黒っぽい人影が飛び込んだ。—— 現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・現代民話考(ちくま文庫)・2003年(平成15年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・現代民話考(ちくま文庫)・2003年(平成15年))
『現代民話考――偽汽車』は、松谷みよ子が編んだ『現代民話考』全十二巻の第三巻で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。鉄道開通のころ狸や狐が汽車に化けたという偽汽車の話、船幽霊や幽霊船など海の怪談、タクシーの幽霊など自動車や列車の怪談と笑い話を、全国の回答者の聞き書きや新聞・雑誌・書籍から集める。三章それぞれの冒頭に考を置き、話ごとに本文と分布を並べて地名・話者・出典を添える。