献金に費えた菓子商の五年
どんな伝承か
淀橋区で菓子を商う家からの訴えである。家族の病を治したい一心で天理教に入信したところ、五年のあいだに貯金も金時計も残らず教会へ納めさせられた。教師は献金さえすれば助かると繰り返したが、子どもは死んでしまった。それでも納めるものを求められ続け、家財を失った末に一家は離散する憂き目に遭ったという。病を治すという言葉が、そのまま身代を削り取る口実になった例として挙げられている。
原典より
* 一乞食の繰り言(天×教)* 可憐な少女群のいけにえ…教祖様の暴行(ひとのみち)八、其の他の被害* 祟られる出版界(ひ××みち)* 仮面の宗教改革者* 教会工事みそぎ風景(ひ××みち)* 巫女にされた少女* 条件つきの…—— 邪教に迷はされた人々(好村春基・浅野研真ほか編・新興宗教・邪教批判) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
邪教に迷はされた人々(好村春基・浅野研真ほか編・新興宗教・邪教批判)
『邪教に迷はされた人々』は、新興宗教や祈祷・迷信に惑わされて被害を受けた人々の実話を集めた本である。ひとのみち・天理教・大本教などに絡んで、病人が医者から遠ざけられて死んだ話、精神を病んだ話、教主や行者から暴行を受けた話、家庭や財産を失った話を、遺族や民生委員の手記、『大法輪』昭和十一年の誌上報告などから収める。被害を医療妨害・精神障碍・人命・暴行危害・家庭破壊・物質的損害・一家没落・其の他の八類に分けて並べる。