先祖のお告げで蔵から出た古銭
どんな伝承か
奈良県王寺町の旧家谷家では、昭和四十三年に蔵の床下から大判や小判が見つかるより前にも、先祖の夢のお告げで宝が出たことがあった。昭和二十五年、先祖が夢枕に立ち、蔵を調べよ、朝日のように輝くであろうと告げたのである。そこで調べてみると、家宝を納めてきたいちばん古い内蔵から、一文銭と二文銭が合わせて二十六万枚も出てきた。その蔵は出し入れが少なく、正倉院のように四百年ものあいだそのまま保たれてきたという。この先例があったので、のちに当主が床を叩く老人の夢を続けて見たとき、妻はすぐに先祖が宝を出せと言っているのだと考えた。
原典より
というのも、昭和二十五年に、最も古い土蔵から一文銭と二文銭、あわせて二十六万枚も出て、このときも先祖が夢枕に立ち、「蔵をしらべよ。旭のごとく輝かん」と、お告げがあったからである。—— 現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年))
『現代の怪奇――日本列島のミステリー地帯』は、鈴江淳也が前著『日本の奇談』に続けてまとめた、現代の超常現象と奇談のレポートである。桑名の「天狗の初さん」、新幹線の亡霊、京都のタクシーに乗る幽霊客、人魂、原因の知れない奇病、念写と三田光一の透視などを、著者の取材・面談と、大正の新聞から昭和四十年代の週刊誌までの記事で集めて収める。五つの部に分け、あとがきは昭和四十五年三月の日付で、巻末に機関誌などを入手できる団体・研究家の一覧を付す。