滝行で口を借りて語った青大将の祟り
どんな伝承か
大阪府北部、能勢の妙見山にある能勢妙見宮の別院・妙滝寺は、日蓮宗の行場として残る寺で、冬も凍らない清滝が流れ落ちている。大阪市天王寺区の鉄工所の息子水野行順は、病弱で神経衰弱や胃潰瘍に苦しみ、二十二歳のとき母に連れられてこの寺に預けられた。尼の西本妙修のもとで滝に打たれ、お堂で読経を重ねて二か月ほどたったころ、水野の口から蛇の霊が語り出した。中学生のころ、子どもたちが追い回していた青大将を面白半分に叩き殺した報いだという。妙修が霊をねんごろに弔うと、病はうそのように治った。
原典より
ひょいと水野さんの口をついて、悪霊が出たのである。—— 現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年))
『現代の怪奇――日本列島のミステリー地帯』は、鈴江淳也が前著『日本の奇談』に続けてまとめた、現代の超常現象と奇談のレポートである。桑名の「天狗の初さん」、新幹線の亡霊、京都のタクシーに乗る幽霊客、人魂、原因の知れない奇病、念写と三田光一の透視などを、著者の取材・面談と、大正の新聞から昭和四十年代の週刊誌までの記事で集めて収める。五つの部に分け、あとがきは昭和四十五年三月の日付で、巻末に機関誌などを入手できる団体・研究家の一覧を付す。